おんまはみんなパッパカ走る

思い起こしばなし

子供の運動神経

子供の頃、自分には運動神経が無いと思っていた。

 

運動会の徒競走では6人走れば4着か5着。

鉄棒の「逆上がり」が出来るようになったのも遅く

水泳も4年生までは、ほぼ泳げなかった。

 

俺の年代だと、男の子はみんな野球をする時代で

遊びでも、持っているモノ次第で、○○ベースだとか

ゴムボールとプラスチックのバットでの野球とか

何も無くても、石ころと落ちていた木材とで

数人揃うと、すぐに野球遊びをするのが常だった。

 

その頃の俺はと言うと、バットにボールが当たっても

殆どが内野ゴロで、内野フライにすらならず

守備に付くとフライは、だいたい後ろに落とし

ゴロはトンネルで、運良くボールが取れても

投げると違う方向に飛んで行くか、誰にも届かなかったりか。

 

運動もツラいが、もっとツラいのは

野球やドッジボールとかのチーム分けの時。

 

今も、そうやっているのかは分からないが

当時は、それぞれのチームの代表1人がジャンケンをして

勝った方が、プレーヤー全員の中から1人づつ

自分のチームに欲しい人を指名し

取っていく方式のチーム分けが普通で

俺みたいに、いつも最後の数人に残ってしまうような子は

「残りはどれもいらないな。」とか

「こっちの方がマシか。」とか

疫病神扱いされて、お情けで取って貰うような感じだった。

 

戦力が均等になるという意味では、良い方法なのだが

ともすればイジメに通じかねない

子供ならではの残酷さが如実に出るシーンである。

 


最初に「運動神経が無いと思っていた。」

・・・と書いたが、今現在、大人になってからは

「運動神経が無い」こともないな

・・・と思っている。

 

大人になってから、ちゃんとトレーナー的な人に教わって

色々とスポーツをやってみる機会があったのだが

これが意外に、普通にこなせるのだ。

 

まあ別に、人より特に秀でてはいないものの、

同世代の人に比べて、劣るって程でもない。

ただ、正式に一からちゃんと教われば、意外に

普通にこなせる程度の運動神経はある事が判った。

 

よくよく考えてみると子供の頃、俺のウチは

母子家庭で一人っ子で、引っ越しも良くしていた為

友達もそんなに多くなかった。

母は夜に働いていたので、俺はいつも一人で遊んで

いる事が多かった。

 

俺は幼児期から「ボール投げ」も「追いかけっこ」も

「プロレスごっこ」も殆どしたことがない。

 

子供は遊びの中から身体の使い方を憶える

・・・と聞いた事がある。

子供の頃の俺は、全体的に身体の使い方の

経験値が低かったのだろうと思う。

 

小学校で体育以外で、課外活動でも良いので

専門家を使った、「運動での身体の基本的な使い方」

・・・的なカリキュラムがあれば良いのになと思う。

 

テレビの番組で、足の遅い子に、短距離専門のトレーナーが

一人一人の走り方を見て、一人一人にレクチャーして

各自に1週間ほど練習をさせたら、みんなが見違える程

50メートル走のタイムが縮んだ

・・・というのを見た。

 

運動の苦手な子の半分くらいは、運動神経が悪いのではなく

運動の仕方が解かっていないだけなのではないだろうか?

(単なる個人的意見です。)

 

小学校のうちに、運動が苦手だという気持ちに

ピリオドがうてれば、人生はどれだけ変わったのだろう

・・・と思わずにいられない、今日この頃。