おんまはみんなパッパカ走る

思い起こしばなし

おトイレ

 

子供の頃から、人よりも比較的オシッコが近い

という自覚がある。

 

この年齢になって、血圧もコレステロール

高くなったので、なるべく水分を取るように

しているのだが、更にオシッコが近く・・・。

 

イカー通勤で、朝は1時間半近く、帰りも

1時間と少しかかかるのだが、下手すると

その間、オシッコの我慢がもたない。

 

夜にオシッコに起きる回数も多くなって

来たので、年齢的に前立腺か?

・・・と思い、泌尿器科に行ったのだが

幸い前立腺に異常は無く、

「過活動膀胱気味」・・・だと言われた。

 

気味?

 

気味って・・・何なんだ?

病気なのか?違うのか?

医者が、そんな事で良いのか?

 

・・・などと不満に思いながら、話は続く。

 

昔、営業でずっと外回りをしていたが、

困るのは、やはり「おトイレ」。

 

先にオシッコの話を書いたが、俺は実はお腹の方も

比較的ユルい。。。

 

俺の若い頃は、今よりももっと

「立ちション」が、しやすかった。

(まあ、「立ちション」が軽犯罪だと言う点は

この際、置いておいてください。)

 

だから、困るのは「大」の方だった。

 

当時もコンビニはあったが

今とは違い、お客用のトイレが無い所が殆どだった。

 

従業員トイレは、レジの奥とか

従業員スペースの中にあるのだが

よほどで無い限り、貸してはくれない。

 

とは言え、仕事で毎日外回りしていたので

テリトリーでは、だいたいのトイレの使える場所は

把握していた。

 

ドライブイン、ホームセンター、大きな本屋さん

ショッピングセンター、大き目のテナントビル

スーパー、パチンコ屋、公園、等々。

 

公園のトイレは、当時は今よりも汚く

トイレットペーパーも無いので、最終手段。

 

パチンコ屋は、誰かに見つかるとサボっていたと

思われるので、なるべく行きたくなかった。

 

困るのは、遠出したりして知らない土地に行った時だ。

 

先ほどのような場所を見つけられたら幸いだが

見つからない時は、出費を覚悟するならば

茶店などの飲食店、ガソリンスタンド・・・と言う手も。

 

出費がいらないと言う点では、駅とかが最適だ。

 

駅のトイレは、改札の中にあるのが普通だが

改札の人にお願いすると、大概は入れてくれる。

 

更に困るのは、ド田舎へ行った時だ。

 

田舎は、周りが山とか林とか、田んぼや畑、民家ばかりで

なかなかトイレがある場所が見当たらない。

 

現在みたいにナビでもあれば、一番近い飲食店や

ガソリンスタンドが探せるが、それもない。

 

最悪、野●ソと言う手段もあるが

出来れば避けたいのが、人情である。

 

昔の事だが、そんなシュチュエーションの時に見つけたのが

古く寂れた、ある神社だった。

 

「大」を我慢しながら、車で走行していると

鳥居が見えて、その前まで行くと

まあまあ、大き目の神社だった。

夏か秋には、地元の人が小さなお祭りとかをしていそう。

 

ここならば、トイレくらいはあるだろうと

俺はティッシュを握りしめ、小走りに境内に入った。

 

中には社務所とかは無く、神主さんが常駐している

様子もないので、半ば諦めかけたが

隅の方に、何やら汚い木の壁のような物が・・・。

 

行ってみると木の壁の向こうに、簡易だがトイレがあった。

 

まず小を足す処が目の前にあり、それはただの壁で

壁のその下に溝が掘ってあり、オシッコがただ流れるだけ。

水すらもが流れる様子もない、簡単的なものだ。

 

その横に個室らしきものがあったので、戸を開けてみた。

 

戸は朽ち果て掛けの木で出来ていたが、一応鍵も付いていた。

 

思っていた通り当然の如く、和式のボットン便所だった。

 

入った所にスイッチがあったので、押してみると

ワット数の少ない裸電球が、薄暗く辺りを照らした。

 

しかし、便器の穴の中は暗くて何だか良く見えない。

 

普通であれば、やめて即座に逃げ出すところなのだが

その時の俺は漏れる寸前で、もはや選択肢は他に無かった。

 

俺はズボンを下ろし勢いよく・・・。(聞きたくないって。)

 

・・・まあ取り合えず一気に出して、俺はホッと息を付いた。

 

その瞬間、周りがモヤッ・・・と、霧のようなモノに包まれた。

 

俺は急に出したので、目まいでも起きたのかな?

・・・と思ったのだが、目を凝らしてよく見ると

無数の小さな羽の付いた虫が、便器の中から湧き上がるように

飛び上がったのだ。。。。。。

 

多分、見えなかった便器の穴の中に静かに待機(?)していた

虫達が、俺のウ●コが落ちて来た衝撃にビックリして

一斉に飛び上がったのだろう。

 

俺は背筋がゾッ・・・として、身体中に鳥肌が立ち

叫びそうになったが、小虫が口に入りそうな気がして

思わず手で口を押えた。

 

すると、押さえた口の周りと手のひらの間に

数匹の小虫を挟んだ感触があった・・・。

 

俺は恐怖のあまり、お尻も拭かず、ズボンも上げず

そのままトイレを飛び出した。

 

ズボンを上げなかったのは、ズボンやパンツの間に小虫を

挟みこむのではと、咄嗟に思ったからだ・・・。

 

俺はトイレを飛び出すと周りを見渡し、誰もいないのを

確認すると、ズボンとパンツを全部脱いで

全力でバタバタとハタいてから履きなおした。

(ちなみにその時に、お尻も拭いたよ。笑)

 

誰かに見られたら、

「神社に罰当たりヘンタイ男降臨!!」

・・・と、言われたかもしれない。。。

 

俺は、それ以来トラウマになって、神社仏閣や公園では

余程綺麗なトイレでしか、ウ●コが出来なくなった。

 

まあ寂れた神社仏閣で、そうそう「大」をするような

機会は無いのだけどね。