おんまはみんなパッパカ走る

思い起こしばなし

モモが川でドンブラコ

久しぶりにワンコの話。

 

最近の愛犬家の方達が聞いたら、激怒するかもだが

俺はワンコの散歩の時に、時々リードを外している。

 

今のワンコ(トイプー)は、いつも近所の土手沿いの

アスファルト道を、散歩コースにしているのだが

そこは自動車が入れず、少し人家から遠い所にあるので

人が比較的少ない。

 

そもそも防波堤に行くか、ぐるっと遠回りして元の所へ

戻って来るだけの道なので、普通の通行人などは来ない。

 

時折来る人は、俺のようなワンコの散歩、自分の散歩

ランニング、ウォキーング、自転車といったところ。

 

自転車も、散歩代わりか釣り人か、ロードバイクとかでの

運動か練習目的の人達といった感じだ。

 

なので前後に人がいないのを見計らって

ワンコを、リードから放してあげる。

彼はそれはもう大喜びで、俺も何だか嬉しくなる。

 


俺が20年ほど前に飼っていたラブラドールの「モモ」(♀)も

散歩の際に時々リードを外して、放してあげた。

 

その頃は河原で、俺の仕事が平日休みで昼間は比較的

人が少ない場所があったので、そこで自由にさせていた。

 

勿論、人が居ないのを見計らってだ。

それに、ウチのワンコは躾が行き届いていて

絶対に呼べば俺の側に来る。

 

・・・とまあ、言い訳はこの位にして。

 

モモがまだウチに来たばかりの頃、

河原に、初めて連れて行った時の話だ。

 

その日は晴れていたが、前日に大雨が降っていて

ところどころに大きな「水たまり」ができていた。

 

ラブラドール・レトリバーというワンコは

泳ぎが大得意で水がとっても大好きだ。

 

昔は、猟師さんが鉄砲で撃った水鳥を回収する

ワンコとして飼われ、さらにその先祖の犬種は

漁師さんの漁網の浮きや、網からこぼれた魚を

回収したりするワンコとして飼われていたそうで

スモール・ウォータードッグとも呼ばれていたのだとか。

(ウンチクはどこかのサイトの受け売り)

 

俺のモモも、そこまではとはいかないが

やはり水が大好きで、散歩中に「水たまり」 を見つけると

喜々として「水たまり」の中に入り、ワザと

バシャバシャと水を跳ねさせて歩くのが大好きだった。

(汚れるので、俺は閉口していたけど・・・。)

 

さっきも書いたが、モモが初めてやって来たその河原は

雨上がりだったので、大きな「水たまり」で一杯だった。

 

リードを外すと、モモは、とたんに

片っ端から「水たまり」に突っ込んで行き

水しぶきをあげて、走りまわった。

 

それまでいつも散歩させていた、アスファルト

「水たまり」とは違い、河原にある「水たまり」は

土の上の泥がタップリと入った「水たまり」なので

俺は本当は、モモが「水たまり」で遊ぶのが

とても嫌だったのだが、モモがあまりにも喜んでいるので

「まあ、しょうがねーなー。。。」

・・・と、見ていた。

 

だが突然モモは、行ってはダメな方向に走って行った。。

 

ボッチャ~~~ン!!

 

実はモモはその時、川を見るのが生まれて初めてだった。

しかも川は昨日の雨で増水していた。

俺のいる岸辺に、いっぱいいっぱいのギリギリの所にまで

川の水面が来ていたのだ。

 

つまり、岸辺と水面がほぼ平面に近い状態だった訳だ。。。

 

多分だが、モモは川の水面を大きな「水たまり」だとでも

思ったのだろう。

 

俺が見た感じでは、モモは川に飛び込もうという感じではなく

先ほどまでの「水たまり」のと同じように

水面を走って行こうとして、落とし穴にでも落ちる感じで

川にストーン・・・と、落ちて行ったのだ。

 

当然、水面を走れる訳もなく、川の中へボッチャ~ン!!!

 

モモは「なんだかワケが解からない!!」

・・・といった顔で大きく目を見開いて、俺を見つめながら

川の中で必死に「犬かき」で泳いでいた。。。。

 

泳ぐのは初めてのはずなのに、上手いもんだなぁ。。。。

・・・などと、俺は何故か不思議な事に

特に慌てる事もなく、呑気に見ていたのだが

モモが、なかなか上手く岸に上がってこれないようなので

やっと我に返り、前足を捕まえて川から引っぱり上げてやった。 

 

川から上がるとモモは、ビチャビチャの身体で

ブルンブルン!・・・と、川の水を周囲に撒き散らした。

 

そしてすぐに

「超ビックリしたわよ~~~!!!」

・・・とばかりに、俺に愛情いっぱいの「ハグ」を

求めて来たのだが、俺がソッコーで走って逃げたのは

言うまでもない。。。。

 

数年後、モモが海の防波堤から10メートル以上、真下の海に

飛び込んだ話もあるのだが、それは又いつかそのうちに。