おんまはみんなパッパカ走る

思い起こしばなし

子供の頃に食べていて今思うと体に悪そうなもの。

駄菓子屋の駄菓子全般。

 

そもそも、保管状態が悪かった。

 

冷房も効いていない、戸が開け放しの

暗く埃っぽく、ゴチャついてコキタナイ店舗の中で

消費期限も印字してない、何時のモノだか謎なお菓子が

所せましと、並べられていた。

 

黒棒や串カステラなどは、薄い紙かセロハンが

かぶせてあるだけの箱に、素のまま並べて置いてあり

他の子供が、いつ触ったかも判らない状態。

 

閉店後の夜には、ゴキ○○くらいは出ただろうに

次の日に当り前のように、そのまま出ていた。(たぶん)

 

お菓子自体の成分も、果たしてどの程度に

安全性が保たれていたのか。

 

子供心にも何となく感じる、砂糖ではない不思議な甘さ。

綺麗な色のお菓子は、舌どころか唇までが色付いて

水でゆすいでも、しばらくは取れない。

ボタンを押したら出て来る丸いガムや

紐を引っ張って出て来る飴は、長い間空気中にさらされて

いるはずなのに、何故だかずっとベタベタにならない。

 

 

正月の鏡餅の鏡開き。

 

カチカチになった、カビだらけの餅を

ナタやカナヅチを使って、細かく切り分けて

カビの部分を削って、ぜんざいにしたり

油で揚げて、アラレにしたり。

 

餅に発生したアオカビは、たとえ緑の部分を削っても

何も無いように見える白い部分にも

既に菌糸を張り巡らせていて、食べると体に悪いそうだ。

 

・・・と言うか、俺達がソレを食べていた頃は

そもそも緑の部分すら、完全には削れていない場合が多く

「ああ、ここカビが残っているなぁ・・・。」

と思いながらも、平気で食べていた。

 

俺と同じ世代の人で、カビの味を憶えている人は多いはず。

 

もっと言えば、餅に限らずカビたり腐っているものを

食べていた可能性はかなり高い。

 

今は「パン屋さん」と言えば、店で職人さんが焼いている

焼き立ての「パン屋さん」の事だが、昔は違った。

 

フジパンだの、ヤマザキパンだの、シキシマパンとかの

大手のパンメーカーのパンが、小売の「パン屋さん」に

運ばれてきて、そこで並べて売っていた。

 

よくあったのは、タバコ屋さんの横の引き戸を開けて

中に入ると、そこにガラスのショーケースに並べて

パンを売っている

「タバコ屋&パン屋さん」

そこでは、他に少量のお菓子やアイスも置いていたりした。

(菓子は菓子メーカーの菓子で、駄菓子ではない。)

 

当時の「パン屋さん」は、今のコンビニやスーパーとは違い

冷房も無ければ、管理も良くない。

 

食パンの包装なども、包みのビニールだかセロハンが

テープか粘着剤で留めてあるだけで

今とは違い、密封されていた感じは無かった。

 

俺は子供の頃、よくお使いでパンを買いに行かされたが

何度か、食パンにカビが生えていた事がある。

 

現在のように、並んでいるパンを勝手に選んで持って行く

訳では無く、ガラスのショーケースに置いてあるパンを

店のオバさんとかが、勝手に取って紙袋に入れてくれる

・・・と言う方式。

 

悪く考えれば、子供だと思ってカビの事を知っていて

あえて、それを渡したのかも・・・とも思ってしまう。

 


購入時にカビてたり、腐っていたりは論外だが

昔は食品に、消費期限や賞味期限なんて印字してなかったので

(製造年月日を書いているものはあった。)

親とかが、見た目や匂い、時には少し食べてみて

その味や舌ざわりで、痛んでるとか腐ってるとかを

判断したものだ。

 

だから当然に、間違える事もある。

 

大人になってから、昭和19年生まれのウチの母の

食品の管理状況の様子を、改めて知ってしまうと

「俺は子供の頃、いったいどんなシロモノを

食わされていたのだろう。」

・・・と、愕然とする事がある。

 

最近では「食品ロス」を踏まえて

「消費期限」は、記入しない方が良いと言う人もいるが

世の中は、食品の知識がある人ばかりでは無いので

「自分で判断が出来ない人」が、悪い食品を食べない為にも

記入していて欲しいと、個人的には思う。

 

「おふくろの味」も、人によっては

あまり「子供の健康によろしくないモノ」

になるかもしれないので。