おんまはみんなパッパカ走る

思い起こしばなし

お題

お題「人生で一番古い記憶」

面白いお題だね。

 

3才の時に両親が離婚して、それまで住んでいた

大阪の古いアパート。

貧乏な若い夫婦二人が、結婚して最初に住んで

別れるまで住んでいたアパート。

 

3才までしか住んでいなかった、そのアパートの暮らしを

何故だか、いくつかポツポツと憶えている。

 

アパートの玄関を開けるとすぐに壁みたいな急な階段で

その階段を上がった2階に、2Kの間取りの部屋。

部屋の中は暗く、ベランダなんてモノも無かった。

 

室内には白黒テレビすらも無く

よく近所の親戚の家に見に行っていた。

 

俺が貼ったマンガのシールだらけのタンスの上には

手先の器用な母が煙草のパッケージで作った

傘の折り紙が、幾つも飾ってあった。

 

(昭和だねぇ。。。貧乏だねぇ。。。)

 

その部屋の中で歩行器に乗る自分。

歩行器に乗ったまま、部屋中を動き回っていた俺は

ある日、歩行器のまま2階の階段から真っ逆さまに

階段下へとガタガタと滑り落ちた。

 

狭い階段だからだったのか、歩行器はひっくり返りもせず

俺を乗せたまま、無事に一階の玄関までたどり着いた。

 

母が慌てて降りてきて、俺の体をペタペタ触った。

ビックリしたけど、何だか面白くて笑った事まで覚えている。

 

母は、階段から落ちた息子にビックリしすぎて

俺が階段から落ちた上からアツアツ味噌汁の鍋まで

落としてしまったそうだが、俺の体は何ともなかった。

 

・・・もちろん、そんな下りまでは覚えていないのだけど。

 

前出の部屋の様子は、多分3才くらいの時の記憶なのだろうが

歩行器で落ちた時は、まだヨチヨチ歩きも出来ない頃。

でも何故だか、鮮明に覚えている。

 

そんな小さな時の事を覚えているなんて、我ながら不思議。