おんまはみんなパッパカ走る

思い起こしばなし

怒鳴って得するオヤジ達

自分自身もオヤジであるにもかかわらず

こんな事を書くのも何だが

「怒鳴るオヤジ」が嫌いだ。

 

正確には

「怒鳴って何とかしようとするオヤジ」

が嫌い。

 

 

その①

法務局で怒鳴るオヤジ

 

俺は不動産の登記簿謄本を出す為に法務局に行った。

今はコンピュータ化されていて、申請すれば

10分くらいで出てくるのだが、

昔は法務局に保管してある原本を、係の人が一枚一枚

コピーして纏めて閉じて、証印と改ざんされていないとの

証明の細かい沢山の穴(穿孔)を開けて

・・・と、結構手間がかかったので

申請してから、30分くらいは余裕で待たされた。

 

なので、法務局自体は17時までなのだが

「謄本交付の申請は16:30迄にお願いします。」

と、なっていた。

 

そのオヤジは16:40位に法務局に入って来て

謄本の申請用紙を出そうとした。

当然、係の女性から

「もう申請の受付は終了しました。」・・・と断られた。

 

それを聞いたオヤジは怒鳴り出した。

(多分、申請時間が過ぎた事など知っていただろうに。)

 

「法務局は17時までと聞いたから、わざわざ来た。」

「俺の分、1通くらい何とかなるだろう。」

「そこに暇そうにしている職員が、何人もいるじゃないか。」

「これだから公務員は、この税金泥棒めっ。」

「俺が今日帰って、明日また来るのに何時間かかる

と思っとんじゃ。お前らが15分残業すれば済む事やろ。」

「お前じゃ話にならん、上のモンを呼べ。」

 

最初の係の方も、後から出てきた上司も、

何回も、「きまりなので無理です。」と断っていたが

オヤジは全く引き下がる素振りもなく、長引きそうなので

上司の方がシブシブ「今日だけですよ。」と認め

結局、謄本は発行された。

 

オヤジは

「それ見ろ! やれば、出来るやないか。」

と言いはなった。

 

 

その②

マクドナルドで怒鳴るオヤジ

 

俺がマクドで注文する為に並んでいると

後ろからエラい勢いでやって来たオヤジが

他の客と応対していた店員さんに

遠慮もせずに、大声で声をかけて来た。

 

「おい!これ注文したのと違うヤツが入っているんやけど。」

 

店員は一度お詫びを言って、別の店員を呼ぶ。

上司か、クレーム対応係の人なのだろう。

やって来た店員は、改めてお詫びを言い

商品とレシートを確認。

 

オヤジは言った。

「ワシは○○バーガーのセットを頼んだのに

違うバーガーが入ってたんじゃ。」

 

店員

「お客様、○○バーガーのセットをご注文と言う事で

こちらが間違いなく○○バーガーでございます。」

 

どうもオヤジはバーガーの名前を勘違いしていたらしい。

 

オヤジは、自分が間違えた事への照れ隠しもあったのか

急に怒鳴りだした。

商品の写真を指差して

「ワシはこれと思って注文したんじゃ!なのにコレが入っていたんじゃ!

これを頼んだのに、何でコレが入っとるんじゃー!!」

 

もうムチャクチャである。

子供か!

いやいや、お前が指差した商品は○○バーガーじゃないから

なのに「○○バーガー」と注文したら

違うバーガーが来るのは当たり前やろ!!!

 

店員は言った

「お客様、申し訳ございません。こちらのお写真の△△バーガーと

お取替えさせて頂きますので、少々お待ちくださいませ。」

 

さすがマクド

明らかにオヤジが間違えて注文しているのに

これ以上、オヤジと揉めても他の客に迷惑がかかる。

元々薄利多売だし、この「早く去って欲しい客」を

これ以上相手にするのは時間の無駄で、

その揉めてる時間を新しいお客に使う方がメリットが大きい

・・・と言う事なのだろう。

多分、こういった客も多く、こういう応対がマニュアルに

なっているのかもしれない。

 

バーガーの商品名を間違ったオヤジは、一言の詫びすら言わず

ブツブツ言いながら新しい商品を受取り、席に戻って行った。

 

あの間違われたバーガーは、きっと破棄されるのだろうなぁ。

マジ無駄過ぎる・・・。

 

 

その③

ファミレスで怒鳴るオヤジ

 

俺はファミレスに、モーニングセットを食べに行った。

 

ファミレスのモーニングは、料金によって

選べるメニューが幾つもあって、飲物もドリンクバーに

なってるので、なかなかにお得だ。

スープも「おかわり」出来たりする。

 

・・・まあ、それはともかく。

 

その日、店内は8割がた、お客で埋まっていた。

俺が食べていると、何だか向こうの方が騒がしい。

どうも、客(オヤジ)と店員がもめているようだ。

と言うか、オヤジが一方的に店員に文句を言っていた。

 

女性の店員は、一生懸命に頭を下げていたが

オヤジは、何だか納得できない様子で

「店長を呼べ!」と怒鳴っている。

横では、オヤジの妻らしき女が

「あんた、もういいじゃないの、やめてよ」

とか言って、オヤジをなだめている。

朝っぱらから、もう大騒ぎだ。

 

何となく聞こえてくる話からすると、オヤジは

モーニングのトーストが冷めていた事に腹を立てて

怒鳴っているらしい。

 

間もなく、奥から店長らしき人が出てきて

「申し訳ございません、お取替え致しますので。」

と、言うと、オヤジは

「もう、いらんわ!もう時間が無いねん!」

と言って、また怒鳴った。

 

「それでは本日はもう、料金は結構でございますので。

本当に申し訳ございません。

今後はこのような事は無いように致しますので。」

・・・と、店長は言った。

 

オヤジは、それでもまだ文句を言いながら

偉そうな態度で、妻らしき女と一緒に出て行った。

最初の女性店員と店長が、慌てて後を追い

出入口までオヤジ達を見送りに出て行く。

 

俺が何気に、さっきまでオヤジ達の居たテーブル席を見ると

トーストは3分の1くらい残して、食べられており

飲物の入ったコップやカップも、全部空になっていた。

 

あのオヤジは、トーストが7割がた腹に入るまで

トーストが冷めていた事に、気付かなかったのだろうか?

 


・・・他にもこんな話は、いっぱいある。

仕事的、商売的には、こんな輩をマトモに相手していても

しょうがないのは、よく理解できる。

 

でも言い得、ゴネ得、怒鳴り得・・・な「世の中」って

どうなのだろう?

 

俺は、あのオヤジ達が廻り回って、巡り巡って

結局は痛い目をみる事を、ついつい願ってしまう。