おんまはみんなパッパカ走る

思い起こしばなし

自慢??

3月に入って頃から、テレビ等で東日本大震災の事が

沢山、報道されていた。

 

だけど3月11日を1日~2日過ぎると

殆ど、報道されなくなる。

なんだかなぁ・・・とも思う。

 

まあ辛い出来事なので、延々に毎日繰り返し

報道されても、それはそれでシンドイのだけど。

 

ちなみ俺も、阪神大震災で被災した。

当時は仕事も生活も大変だったけど

避難所に行かなくても、無理すれば家もそのまま住めたし

身内に命に係わるような事が無かっただけでも

めっけもん。

自分より「不幸な体験」を味わった人なんて

ゴマンといるからね。

 


で、ここからは何時ものように

ただのヨタ話・・・。

 

 


阪神の震災の時に勤めていた会社の、俺の上司の話。

 

彼の家は、震災で結構被害が大きかった地域にあった。

家の形状は、道路沿いに地下駐車場があり

駐車場横の階段を上ると、2階建ての家がある

・・・というような造りだ。

 

地下駐車場の真上は庭になっており、地震でその庭に

地割れが出来て、庭の真中一直線に10センチくらい

パックりと口が開いたそうだ。

 

家に、その位の被害があったのにもかかわらず

彼は地震があった時に、揺れに気付かずに寝ていた。

 

地震後に奥さんに起こされて、

初めて地震があった事を知ったそうだ。

 

俺はその話を、地震後彼に最初に会った時に

彼自身から聞かされた。

(震災で会社が休業したので、地震後しばらく経っていた)

 

震災後は、実際に皆大変だったし、色々と苦労もあった。

だが、その話はまた機会があれば書くとして・・・。

 

地震の後、震災を体験した色々な人に会った。

被害の大きかった地域の人、それ程でもなかった地域の人。

大変な目に遭った人、それ程でもなかった人。

皆、色々あったり、それ程でもなかったり・・・。

 

それでも、震災に遭った地域の人達は

大なり小なり自分の震災体験談があり

新たな人に会う度に、その話をしたり、聞かされたりする。

 

(※ 御身内や御知り合いに、ご不幸があったり

かなり悲惨な目にあわれた方の中には

思い出したくも無い!

・・・と口を閉ざされる方も、勿論沢山いらっしゃいます。)

 

それは言い方は悪いが、さながら

お互いの「震災体験自慢」とも言える会話になって行くものだ。

 

年を取ってくると、ある程度の年齢の人達が集うと

お互いの「病気自慢」の会話になってくる事に、何だか似ている。

 

「いや~、ワシは今、○○が、こんなに悪いらしいんじゃ。」

「いやいや、私だって●●の数値がこんなにヒドいのよ。」

・・・みたいな。

 

俺の上司も、そういう「震災体験自慢」の周囲の会話に

さらされている内に、何だか、前と言ってた話が変わって来た。

よくわからない対抗心を燃やしているのか

「震災体験自慢」に、参戦するようになったのだ。


「いやー僕もあの時は、何だか予感があって

地震の直前に目が覚めたんですよ。」

←(ウソ、気付かずに、ぐっすり寝ていた。)

 

「揺れが収まってすぐ飛び起きて

一番にバアさんの様子を見に行き、大丈夫か?

・・・と、声をかけたんや。」

←(ウソ、それは奥さんが取った行動。

本人も、奥さんに起こされた。)

 

「庭に出ると庭が割れてて、割れ目の中を除くと

何か赤いモノが光っててな。

多分、あれはマグマやと思うねん。」

←(誇張しすぎと言うか、もはやデマ!

ホンマにマグマが見えてたら、アンタ、今、生きて無いで!)

 


・・・と、まあ、この位のウソは、どーでも良いし

彼の「誇張」も、聞く人が聞けば

「アホか?コイツ?」

・・・ってレベルだけど

 

「デマ」って、こういう感じで発生して

拡がっていくんかなぁ・・・って思った次第。

 

皆さん、災害時の「デマ」には、くれぐれもご注意を。